境界・土地・建物

境界(確定測量)

 

土地の境界とは、人為的に区画された土地と土地の境のこと をいい、この境界を確定させるのが境界確定測量です。 一般に「土地の境界が確定している」と第3者に主張するためには、下記の要件を満たしていなければなりません。

1.その土地の各境界点に永続的な境界標が埋設してあること。
2.隣接土地所有者などの利害関係人とその境界線を確認した書面(境界確認書)があること。
3.道路管理者との境界確定書があること。

要約すると境界確定測量は上記の要件を満たすために行う測量とも言えます。

注)境界確定測量は、現況測量とは違い、 隣接者との境界の立会い及び確認などの手続きが必要になります。

 

分筆登記

土地分筆登記とは、登記記録(登記用紙)上1筆の土地を2筆以上の土地に分割する登記のことをいいます。
1筆の土地の一部を分割して売却したい、あるいは相続のため土地を分割したい、といった場合に土地分筆登記をしなければなりません。土地を分筆する場合には、前提として境界確定測量を行い、分筆線にプラスチック杭や金属標などの永久的な境界標の設置もしなくてはなりません。(但し、土地分筆登記は所有者の意思に基づいてなされる登記なので、申請義務はありません。)
ところで、1筆の土地の一部が別の地目になった場合にも、土地分筆登記は必要ですが(土地一部地目変更・分筆登記)、この場合には、土地地目変更登記の性質を有することから、土地の所有者は、地目に変更が生じた日から1ヶ月以内に土地一部地目変更・分筆登記を申請する義務があります。この登記の申請を怠った場合には、10万円以下の過料に処されることがありますので注意が必要です。(不動産登記法第164条)

 

地積更正(登記)

土地地積更正登記とは、錯誤(間違い)などにより、実際の土地の面積が登記記録(登記用紙)上の面積と違っている場合に、現況の面積と登記記録(登記用紙)上の面積を合致させる登記のことをいいます。
土地地積更正登記を申請する場合には、前提として境界確定測量を行い正しい面積を算出し、プラスチック杭や金属標などの永久的な境界標の設置もしなくてはなりません。(但し、土地地積更正登記は、錯誤(間違い)などにより、登記記録上の地積と現況の地積とが合致していない場合に、現況に合わせた地積に「更正」する登記であり、この登記自体には、登記申請義務はありません。)
一方、河川の氾濫や海没などの自然現象により土地の一部が海面下に没した場合などは土地地積変更登記を行ないます。この場合、土地の所有者は、土地の地積に変更が生じた日から1ヶ月以内に土地の地積変更登記を申請しなければなりません。(不動産登記法第37条第1項)更正登記は「当初からの不一致」なのに対し、変更登記が「後発的に生じた不一致」ということになります。

 

地目変更(登記)

 

田や畑、山林などを造成したが、登記簿の地目を変更していない場合には、「地目変更」登記を申請する必要があります。 山林や畑であった所に建物を建築したとき、または駐車場や資材置き場等にしたとき、実際の地目に変更する登記手続きです。
但し、登記簿の地目を農地(田、畑)から農地以外(宅地、雑種地等)に変更する場合は、農業委員会に対して農地法の届出又は都道府県に対して農地法の許可が必要になります。 また、一筆の土地の一部のみの地目が変わった場合は、土地一部地目変更・分筆登記が必要となります。 土地地目変更登記には申請義務があります。地目が変更した後1ヶ月以内に地目変更登記をしないと、10万円以下の過料に処せられる場合がありますのでご注意ください。

 

 

建物表題登記

建物表題登記とは、建物の物理的な状況を、登記所(法務局)に登記記録(登記用紙)を登録する手続きの事を言います。一戸建ての住宅や店舗、賃貸アパートなどの建物を新築したときにする登記です。建物の種類としては「居宅」「店舗」「共同住宅」などとして登記されます。

ここでいう物理的な状況とは、建物の所在・家屋番号・種類・構造・床面積の事であり、これらの情報を登記所(法務局)に登録する事により、どれくらいの大きさでどんな形状の建物なのかが明らかになるわけです。また、建物表題登記では、これに加えて、その建物の所有者や新築年月日なども登録されます。

なお、新築建物の所有者は、新たに建物が生じた日から1ヶ月以内に建物表題登記を申請する必要があります。(不動産登記法第47条第1項)

 

建物滅失登記

 

建物滅失登記とは、建物が取毀しや焼失などで存しなくなったことを原因として、法務局にある登記記録(登記用紙)を閉鎖する手続きをいいます。
建物の登記簿の表題部に記載された所有者又は所有権の登記名義人は、建物が滅失したときから1ヶ月以内にこの登記を申請しなければなりません。(不動産登記法第57 条)

 

 

建物表題変更登記

 

既登記の建物の物理的状況又は利用形態が変化・変更があった場合、登記されている建物の表題部の登記事項に変更が生じます。この現況に合致させるの登記を建物表題変更登記といいます。

なお、不動産登記法第51条第1項により、建物の登記簿の表題部に記載された所有者又は所有権の登記名義人は、建物に変更が生じたときから1ヶ月以内にこの登記を申請しなければならないとされています。

また、登記手続き上の錯誤(間違い)などによって建物の現況と登記簿上の建物の表示とが合致していないケースには、建物表題部更正登記を行い、現況に合わせた表示に「更正」することが可能です。変更登記が「後発的に生じた不一致」であるのに対し、更正登記は「当初からの不一致」ということとなります。

次の場合はご相談下さい。

■他の土地にまたがるような増築をして、建物の所在に変更が生じた場合
■建物の屋根の材質を変更した場合
■増築した場合
■附属建物を新たに作った場合
■建物の敷地の合筆により敷地の地番が変更した場合

区分建物表題登記

 

区分建物表題登記とは区分建物(マンション等)を新築した時にしなければならない登記です。

マンションなど1棟に数戸の専有部分がある時は、それぞれの専有部分について登記申請することができます。普通の戸建の建物表題登記と同じく、建物の物理的な状況を、登記所(法務局)に登記記録(登記用紙)を登録する手続きの事を言います。
ここでいう物理的な状況とは、建物の所在・建物の名称・家屋番号・種類・構造・床面積・の事であり、これらを登記簿に登録する事により、どれくらいの大きさでどんな形状の建物なのかが明らかになるわけです。

また、区分建物表題登記では、これに加えて、敷地の権利による割合や規約による共用部分なども登録される場合があります。なお、原始取得者、すなわち、そのマンションを建てた人(会社)は、新たに建物が生じたときから1ヶ月以内に区分建物表題登記を申請しなければなりません。(不動産登記法第47条第1項)